イギリスはやっぱりマズい -2ページ目

私が衛星放送を入れるまで その3

私はこう見えても
(どう見えても?)
小さい頃すごく引っ込み思案な子供であった。
知らない人が怖かったので、
知らない人に話しかけるのなんて論外であった


お店に行くとしよう。
必要なものが見当たらない、なんてことはしょっちゅうある。
その場合、店員に聞いてどこにあるのか教えてもらったり、
ない場合はいつ入るのかとか聞くのが当たり前。
だが、私にはそれができなかった。
聞くのが怖いのである。


ちょっとまだいまだにそうなのだが、
英語ならなおさら怖いのである。


電話で話す場合、
相手の顔が見えないとやりづらいというのは母国語でも同じだろうが、
英語は余計分からなくなる。
聞きなおすのも気兼ねだし、
そのままスルーしていって結局分からなくなることもある。

だから、スカイに電話をして聞けばいい話なのだが、
それがなかなか気詰まりだった。
どうせかけなければならないだろうが、
その前にまわりのえげれす人に聞いてみようと思った。


ドスの聞いた声でしゃべる女性のAGさんに聞いてみた。

「ねえ、スカイ入れてる?」
入れてない

…一言返し。

「あ、そう…」
とその場を去ろうとする私。
「待って待って。スカイがどうしたの?」

声はドスがきいているが、
ほんとは優しいAGさんに事情を説明する私。

なんだ、電話してみればいいじゃん




その通りだ。
私だってそんなの分かってる。
それができれば苦労はしな…




ピポパ。




もうAGさんはスカイの番号を調べて電話をかけ始めていた
(早っ!)


「ハーイ。ちょっと聞きたいんですけど、
 デコーダ+ミニディッシュ+インストールがただっていうキャンペーンを見たんだけど、
 なんで共用アンテナがあったら申し込めないんですか?」

見事な英語でとっとと核心を突くAGさん
(えげれす人だから当たり前なのだが)

「はい、…はい、あ、そうなの?」

聞いたことをメモするAGさん。
見ると、
「free」(タダ)
と書いてある。

受話器を置いたAGさん。
「あのね、
 共用アンテナがある人はキャンペーンに申し込めないっていう意味じゃなくて、
『あのウェブサイトでオンラインでの申し込みはできない
 って意味だって」
「え!?!?!? じゃあ…」
「この電話番号にかければ、無料で申し込めるってよ」
「ほほほ、ほんと!?!?!?」


うわぁぁぁ~~~~~~い
なんだなんだぁ、誤解だったのか。
おっかしいと思ったんだ~~~

「はい、これがその番号。
 …かけてあげよっか?」

いえ、さすがにそこからは自分でやります…(汗)
それじゃガキみたいだもん。


そうだよね。共用アンテナがあるからって差別されるわけないもんね。
るんるん、これで私も衛星を見れるんだ!
さて、そうと決まったら後で電話しようっと。


サイトを見ると、夜の11時まで電話を受け付けているらしい。
加入用の番号だから、夜遅くまでやってるのね。
そうね、夜にいきなり
衛星放送を入れたいっっっっっっっ!!!!」
って欲望に駆られる人もいるかもしれないもんね。

さて、仕事でもするか…

(はい、AGさんは会社の同僚です。
 ここまでの2人の会話はオフィスでなされていました)



私用電話は最低限にしたいしで、
8時に家にたどりついてからさっそくスカイに電話した。
緊張する私の耳に聞こえてきたのは…
妙に明るくハツラツとした男の声だった。


「スカイ・デジタルです。
 営業時間は朝の10時から夜の7時までです。
 またおかけ直しください





共用アンテナを持っている人の申し込み番号は、
やはり差別されていたのであった。

(つづく)

私が衛星放送を入れるまで その2

共用のアンテナがあるとキャンペーンに申し込めないことに気づいた私。

でもよく考えてみよう。
共用アンテナがあると、
スカイにとって何がいけないのか???
何がキャンペーン適用を躊躇させるほどいけないことなのか。


共用アンテナからは部屋にすでに電波がケーブルを通じて届いており、
部屋の壁には「サテライト」と書いたジャックがある。
要するに、
このジャックとデコーダをケーブルでフン!とつなげば
もうかーんたんに見れるはずなのだ。
室内にアンテナを設置し、チューニングし、
そこから壁に穴を開けるとか窓の隙間を通すとかしてケーブルを室内のデコーダまで引っ張ってくる
という大仕事はしなくていい。
どう考えても、
スカイやそのエンジニアにとっては
話はずーっと簡単になるはずなのだ



なのに。
なぜそんな簡単な客を拒むのか。



スカイは

「そんな簡単な設置はやりたくない。
 俺は一生チャレンジャーさ
 もっと強い奴に会いに行く!
((c)ストリートファイター2)

という会社なのか。

んなわけないだろう
少なくとも、英国の会社にそんなのはない
(日本の会社にもないだろうけど)


私は物欲にいったん取り付かれると、
発熱したように頭の中がそれだけになってしまう。
なんでなんだなんでなんだ、と考えながら
その日も会社に行こうと玄関を出た。
そこでコンシェルジェのマイケルに会った。
いい機会だと思ったので、
「スカイを入れたいんだけど…」
と聞いてみると、
もう入れているほかの家の人に聞いてみてあげると言ってくれた。
「でも、デコーダをカリーズとかディクソンズ(家電チェーン)で買ってきて、
 ケーブルでつなぐだけなんだけどね。
 うん、君にもできるよ」

そうだろう、私もそう思う。
私はそもそも家電の配線には結構強い。
(もとがシステムエンジニアだから)


参考にと思い、
ディクソンズのサイトを見てみた。
要するに私が今必要なのはデコーダだけなのだから、
その値段を知りたかったのだ。

見ると、


199ポンド・・・・


約4まんえん


ありえない・・・・


そんなに見る暇があるとも思えぬぜいたく品のために、
4まんえん。


ありえなすぎる


かくして、
キャンペーンを利用しない状態でのスカイ導入は、
私の頭の中のキンキンがボタンを勢いよく押し、

ハイ消えた!!!!!!!!!!!!

のであった。


(つづく)

私が衛星放送を入れるまで その1

えげれすには民放のテレビ局は5つある。
BBC1(NHK総合みたいなの)
BBC2(NHK教育みたいなの)
ITV
Channel 4
Five(旧Channel 5)
である。

まあ5つなら、
チャンネル数としては少ないわけではない。
が、問題は内容である。



私は実はサッカー新米ファンである。もっと見たい。
見たいのに、
サッカーの人気試合の放映権は
衛星放送のskyがほとんど独占しているのだ
重要なサッカーの試合を生中継で見るには、
衛星を入れないとほぼ無理なのである。

地上波しか見れない人はどうしているかというと、
衛星をスクリーンで放送しているパブに行くとか、そんな
巨人、大鵬、玉子焼き
時代の日本みたいなことをやっている。

一方、生中継で流せない地上波ではなんと、試合終了くらいの時間に
文字放送を流している
「チェルシー対リバプール、コーナーキック:ランパード」
みたいなテロップが
画面の下にぞろぞろと出るのだ。

いったいこれでどうやって喜べと?


映画ももう何度もやったようなのしか放送しないし、
地上波に飽きた私はついに衛星を入れることにした。

実は、うちには共同の衛星用パラボラアンテナがあるのだった。
だから、加入すれば後は
物理的にはデコーダと、アンテナのつながっているジャックを
コードでつなぐだけである。
自分でもできそう。
大家に怒られそうな工事の必要は何もない。
そもそも、リッチな大家は
自分が住んでいた時ここでskyを見ていたのだ。

skyはたまに、加入キャンペーンというのをやっているのは知っていた。
ウェブで調べてみると、ちょうど27日まで
デコーダ+ミニアンテナ+インストール代無料キャンペーン
をやっている!
渡りに船、とオンラインで申し込もうとした。
なにせ、デコーダは普通に買うと199ポンド(約4万円)もする。


ところが。
申し込む前に条件を入力する画面があった。

「1 固定電話があること。
・・・・
 4 家屋に共用のアンテナがないこと

ええっ。

正直に「共用のアンテナがないこと」の横のチェックボックスで「NO」を選んだ私が見たものは、
あなたはこのキャンペーンにオンラインで申し込めません
というメッセージであった…

(続く)

今日は13度、あったかかった

ちょっと多忙につき昨日書けませんでした。
ビザの話はもう少しお待ちを。

英国に来たばかりのTさんが

「何が傷つくといったって、英人に会って
『英語が下手ですみません』と言ったら、
あなたの英語は私の日本語よりましよ
 と言われる時、ほんとに落ち込むね」

と言ってました。
すごくよく分かります。
だって、
あんたが日本語話せるわけないじゃん!
という。

向こうはよかれと思って冗談で言ってるのでしょうが、
これは痛いんです。
私もかなり言われました。
最近は
「すいません、英語が下手で」
というせりふで会話をつなぐこと自体なくなったし、
言ったとしても
「そんなことないわよ」
と素直に否定してくれるので、
少しは上達したのかなといいように解釈してます(笑)

入管には気をつけろ

観光以外の目的で英国へ入国する際、
入国管理官(入管)に難癖つけられイヤーな思いをした人は
ごまんといる。
決して珍しい話ではない。
英国に数ヶ月滞在した人なら誰も
「たいへんだったね」
とは言ってくれない、
これからするのは、その程度のありふれた話である。



入国を拒否されたとか、最後には許可されたものの絞られたとかいう人は、
大体下記のような理由で入管にからまれている。


・労働するのではと疑われた

就職活動も含む。
だから、スーツを着ていくのはよくないらしい
ただ、小汚い格好だと
貧乏だから働くのではないか
と疑われてそれもよくないらしい。

「過ぎたる鼻は猶及ばざるが如し」で、
適度にこぎれいな格好をしていくことが望ましい。
女性はスカートのほうがいいとの話もある。

ネットにあった話だが、
手工業を日本でやっている人が
「英国の現場を見せてもらおう、
 できれば自分でも試しにやらせてもらおう」
と思い、道具をかばんに入れているのを見つかって
入国拒否されたというケースもあったそうだ。



・お金がないのではと疑われた

これは↑と関連する。
大した根拠はないが、
欧州まわりの航空機で入国した時より、
発展途上国まわりの便で入国した時のほうが疑われる。
格安に乗るってことはカネがないんだろう
ということなのだろうか。
下種の勘ぐりである。
大体、
英国人の貯金のなさと借金まみれの状態は
世界的にも有名だ。



・ちゃんと勉強しないのではないかと疑われた
・英国で勉強する意味はないと思われた


これも過ぎたるはなんとかで、
あまりに英語がひどいとからまれるし、
うますぎても
もう英語を勉強する必要はないだろう
と言われて、難癖つけられる。

知人は「(日本の)英検をとるため勉強しに来た」と言ったら
日本の英検をとるのに英国で勉強する必要はないだろう
 日本で勉強しろ」
とからまれたこともあるらしい。
なんじゃそりゃー!!!!



・英国人と結婚するのではないかと疑われた

基本的に奴らは、
英国人にガイジンと結婚して欲しくないらしい。
(配偶者にそれほど手当てを出しているとは思えないのだが)
なので、
彼氏or彼女を英国に訪ねてきたと思われただけで
犯罪者を見るような目で扱われる。
友達だと主張しても認められないこともある。
友達じゃないと言ってるのに、
手帳に英国の住所や英国人の名前が書いてあるだけで
彼氏or彼女と疑われることもある。
おそろしい難癖である。



在英邦人の間で伝説と化している
恐ろしい入国拒否の実態をルポしたサイトがここだ。

私はこの方と実際にお会いしたことがあるが、
落ち着いた良識ある方だった。
とてもじゃないけど、
「英国に入れたら困る」人ではなかった。



入管にはにらまれたら最後、
徹底的に疑われる。
犯罪者扱いである。
Don't mess with 入管


次回は私個人の経験を書こうかと思う。
ちょっと立ち入った話なので、
迷ってるんだけど。